資料NO. :  20
資料名  : 
 −映画「軍隊を捨てた国」
  木更津上映会に当たって

   とき: 2003年3月29日(土)14:00〜
   ところ: 木更津市民会館中ホール
   主催: 平和・人権・文化を考える会
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制作者  :  T.M.(ちば・いちはら連絡会)
制作日  :   2003/03/03

 

  •  映画「軍隊を捨てた国」について
     動植物の宝庫として知られる中米コスタリカ。もうひとつの知られざる事実に、今、世界が注目しはじめている。−−軍隊を廃止し,半世紀以上がたつ、という事実。
     21世紀の現在、そこにはどんな社会があるのだろうか。人々はなにを考えて暮らしているのだろうか。 抑制されたナレーションと音楽と踊りの導入により、コスタリカの「今」が淡々と描かれていく。人々の暮らしに根付く「民主主義」と、生き生きとした子どもたちの表情が、「軍隊のない世界」を浮かびあがらせていく。

     「軍隊をすてた国」を地球の裏側の物語として語るのではなく、スクリーンヘと導く大役を果たしたのは、沖縄出身、仲村清子の踊り。大地に根をはるような安定した足取りと、蝶のような手の動き。平和を希求する原始の民のような生命力は、林光作曲の舞曲とともに国境を越えて、コスタリカの人たちと触れ合う。
     1999年冬、「沖縄発コスタリカ」という名で生まれた企画に、一般市民からの募金が寄せられた。
    2年の時を経て完成。多彩な顔ぶれのアーチストと、若手中心の製作陣こころみた、新しいかたちの問題提起でもある。

       監督・構成       山本洋子
       企画          早乙女勝元
       製作          早乙女愛
       撮影          野間健
       振付          伊藤多恵
                    野和田恵里花
       挿入歌・演奏    小室等
       出演         仲村清子
       企画・製作・配給 あいファクトリー


  •  上映会のスケジュール
    ・ 主催者あいさつと講師の紹介
    ・ 「『軍隊を捨てた国』−コスタリカの『いま』」・・・・講師:早乙女 愛さん
    ・ 記録映画:「軍隊を捨てた国」上映(1時間25分)

  •  コスタリカについて
     
     コスタリカは、面積約5万1000平方キロメートル(九州と四国をあわせた程度)の、中米の小国である。約380万人が暮らし、国民一人あたりのGDP(国内総生産)は3000ドルあまり。コーヒー、バナナなどの一次産品に経済を依存する、典型的な発展途上国だ。一貫して教育重視の政策をとり、現在も国家予算の4分の1を教育費に割いているため、識字率も約95%と世界有数である。また、政冶に対する国民の関心は高<、投票率も長年約8割を保ってきた。自然保護の先進国としても知られ、国土の約4分の1以上が国立公園や自然保護区に指定されており、エコ・ツーリズムのメッカとしても有名だ。隣国ニカラグアからの移民は100万人にも達するといわれ、移民受け入れ大国でもある。
     
     中米は、有史以来常に紛争の絶えない地域であった。その中でコスタリカでは、1949年11月7日に施行された新憲法の第12条に、常備軍の禁止が盛り込まれた。その条文は、要約すると以下のようになる。
     ・恒久的組織としての軍隊を禁止する
     ・大陸間協定(米州機構、米州相互援助条約)または国防のために、大統領は予備役を招集できる
     ・国内治安維持組織としての警察はこれを保有する

     この半世紀、いくどとなく憲法の改定が行われてきたが、この条項だけは制定以来不変である。1983年には、当時の大続領であるルイス・アルベルト・モンヘが積極的永世非武装中立宣言を発表。あとを受けたオスカルーアリアス・サンチェス大統領も、周辺国の平和なくして自国の平和なしとして、内戦を続けてきた中米各国に停戦を呼ぴかける。この中米和平交渉の功績により、1987年にノーべル平和賞を受賞した。国連人権高等弁務官の設立を提案するなど、歴史的にも平和・人権分野での国際貢猷で世界に知られる国である。

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掲載:2003/03/12